LIVIN' IN PARIS

Penny loafers

date: 2021.12.06 category: FASHION author:

革靴が大好きで様々な種類のものを履いてきましたが、ローファーは避けてきました。

高校生の時の制服がブレザーで、その時に初めて革靴なるもの(もちろん七五三の時などの衣装で革靴を履いたことはあったのでしょうが)としてローファーを履き、入学式の帰りは足がマメだらけになって、歩くのが苦痛だったのを今でも覚えています。

学校指定の黒のローファーだったので、おそらくハルタあたりだったのではないかと記憶しています。

 

そのイメージが強いからなのか、なかなかローファー、特に黒の表革には大きな抵抗がありました。

もう一つ避けてきた理由は、ローファーを履いた時のバランスがどうしても小足っぽく見えてしまうのがなんだか微妙な気がしていたからです。

なので履くならソールにボリュームのあるParabootのランスとかが良いかな?とまで考えていました。

 

しかし、今回購入したのはスッキリとしたフォルムのJ.M.WESTONの大定番、シグニチャーローファー。(フランスだとモカサンと呼びますね)

しかも黒の表革。

今まで避けてきた理由はなんだったんだ、というチョイスですね。

 

40歳を越えてから、最近では自分の中で今まで「ナシ」だったアイテムや着こなしが「アリ」になってきました。

これがファッションでは最も面白いなと感じる瞬間です。

 

今まで避けてきた靴にも関わらず、合わせ方は今まで通り。

少し短めのデニムに白いソックスで合わせています。

このバランスがとても新鮮に感じられ、むしろAldenなどのボリュームのある靴よりも気分かもしれません。

 

さて、J.M.WESTONのローファーと言えば、きつめのサイズで馴染ませていくので、最初の頃は履くのがかなり大変とのこと。

そのつらさは「修行」とも呼ばれ、自動で予測検索が出るほど・・・

ただ、紐で調整ができない分ジャストよりも少しきつめを選んでおかないとパカパカしちゃうのは美しくないのも理解できます。

 

その辺りをブランド側も分かっているので、ローファーに関してのみウィズ(靴の幅)を6種類(たしか)用意し、既製靴でありながら最適なフィットを探すことができるようにしています。

僕の場合は普段履いているゴルフを基準に、ウィズを二つ細くしています。

ゴルフがDなので、Bですね。

最初はCを購入したのですが、次の日に履いて出かけようと思ったら、ほんのすこーしだけ踵が浮くような気のせいのような感覚に襲われ、もう一度ショップに持っていきました。

同じCでハーフサイズ小さくしたものも履きましたが、これは指が当たるので却下。

結局同じサイズでウィズを更に細くして決着しました。

 

噂には聞いていましたが、たしかに万力のような締め付け方。

家から自分の店まで我慢して履いたら、脱いで他の靴に履き替えようと思っていたので、気楽なものです。

ただ、その日の夜は久しぶりに外に飲みに行く予定があったので、再度ローファーに履き替えて出かけました。

だって格好良いんですもの・・・

 

自分の店を出て駅に向かう途中で早くも足が痛くなり後悔しましたが、戻って履き替える時間もなく。

結局その日は夜中まで飲んで帰宅。

アルコールの力で足の感覚は無くなりましたので、痛みを感じずに家まで帰れました。

 

そんな初日の無理やりが良かったのか、それ以降は朝から夜まで脱がずに過ごすことができるようになりました。

もちろん締め付けはありますし痛いのですが、我慢できないほどではないかと。

 

なんて余裕かましていましたら、先週階段から派手に滑り落ちました。

死ぬかと思った・・・

 

今のところ「ツンデレ」でいうところの「ツン」のみですが、それでもこの美しい靴との日々を楽しもうと思っています。

またある程度履き込んだら写真を撮ってご紹介しますね。

 

それにしても最近の気分はもっぱら黒い革靴なのですが、なぜなんでしょう・・・

Seki

 

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PROFILE

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関 隼平 / JUMPEI SEKI


FASHION IMPROVER

1979年東京生まれ。2008年に1LDKの立ち上げに参加し、全店舗のバイイング、マネージメントを行う。2015年からはパリ店勤務となり2016年に独立。Fashion Improverとして様々なショップ、ブランドの価値を高める仕事をパリにてスタートさせる。
instagram.com/sekijumpei/
sekijumpei@gmail.com

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岡本 真実 / MAMI OKAMOTO


EDITER / WRITER

東京生まれ。大学卒業後、いくつかのメンズ、レディスファッション誌のエディターを経て、2015年6月よりパリ在住。現在、フリーランスの編集者として活動中。
mamio.kamot@gmail.com

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