LIVIN' IN PARIS

Bye, Leica M9-P

date: 2024.05.07 category: PHOTO author:

何を思ったかライカM9-Pを売ろうと先週思い立ちました。

ライカM9-Pというのは、ライカのデジタルカメラの2代目で、最初のデジタルカメラM-8はAPS-H(APS-Cより少し大きい)センサーを使用していたのに対して初のフルサイズCCDセンサーを搭載した今でもファンの多いモデルです。

コダックが作ったCCDセンサーということもあり、その写りは独特。

フィルムカメラで撮影したかのような色の出し方はライカのデジタルカメラ史上でもこのモデルだけです。

そしてこのM9-Pはライカの赤バッジが付かず、ブラックペイントという真鍮を黒く塗っていて使っていくうちに塗装が剥げてきて地金の色が見えてくるというのも惹かれたポイントです。

ライカ使いなら一度は憧れるブラックペイント。

デジタルカメラなのに経年変化が語られるのはライカだけでしょうね。

M-8が僕にとっての最初のライカですが、このM9-Pの存在はネットで見て気になっていました。

そんなある日、パリのライカストアの中古情報を見ているとM9の入荷が。

これは、と思い店舗に行きますがそのカメラは既に売り切れ。

しかしその時はM9が3台同時に入荷していたみたいで、ネットには載っていなかったM9-Pがあるではありませんか!

箱付きで全ての書類も揃っているという素性の良い個体。

これは買うしかないと即決したのが2020年のこと。

そこからいろんな場所で撮影をしましたが、最近はあまりこのカメラを持ち出すことが少なくなっていました。

新しいセンサーに交換しているとはいえ、いつかは寿命が来るデジタルカメラ。

それなら今欲しい人がいれば売ってしまおうと思ったのでした。

 

先週末はちょうどPARKSのアイテム撮影があったので、そのついでに撮影。

日本に行ったらメルカリにでも出せるようにディテールの写真も念入りに撮影しました。

でもメルカリってやったことないので、その前にインスタグラムで募集したところ想像以上の反響で、すぐに買い手が見つかりました。

 

自分が使っていたというのはもちろんあるのですが、ライカのデジカメではこのM9-Pが見た目も一番好きです。

この後のMというモデルからは採光窓(レンズの上あたりに位置している擦りガラスの部分)がなくなるんです。

これがある方がカメラっぽい見た目で格好良いんですよね。

もう今後はライカのデジカメを買うことはないかもしれないなと思うと少し寂しい気持ちになりますが、フィルムのMP(こちらもブラックペイント)をたくさん使おうと思います。

仕事用のデジタルはフジ一本でいきます。

 

そしていつも思い出すのが、M8を購入した時にあるサイト(今はもう存在しない)で見かけたこの言葉。

“Leica M8 / Leica M8.2 は 「ライカにしては手頃な価格だから」 ということだけで買うようなデジタル写真機ではない。世界中に熱いファンが大勢いる歴史的名機であり、現代のクラシック・デジタル写真機なのである。”

今はM9もその存在でしょうね。

次の言葉も自分に当てはまりすぎて、最初のライカがM8で良かったなと心から思います。

“なお、Leica M8 / Leica M8.2 が初めての Leica だという場合、それが 「沼」 への入り口になるかもしれないということを最後に書いておきます。”

 

皆さんも「沼」どうですか・・・?

Seki

 

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PROFILE

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関 隼平 / JUMPEI SEKI


FASHION IMPROVER

1979年東京生まれ。2008年に1LDKの立ち上げに参加し、全店舗のバイイング、マネージメントを行う。2015年からはパリ店勤務となり2016年に独立。Fashion Improverとして様々なショップ、ブランドの価値を高める仕事をパリにてスタートさせる。
instagram.com/sekijumpei/
sekijumpei@gmail.com

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岡本 真実 / MAMI OKAMOTO


EDITER / WRITER

東京生まれ。大学卒業後、いくつかのメンズ、レディスファッション誌のエディターを経て、2015年6月よりパリ在住。現在、フリーランスの編集者として活動中。
mamio.kamot@gmail.com

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