この間、11区のワインバー、La BuvetteでPatrick Boujuの“LULU”2015年を飲んだ。
パリに来て間もない、2015年の夏。
フランスの真ん中の山岳地帯、オーベルニュ地方まで、このワインを作っているパトリック・ブージュの畑を見に行ったことを思い出した。
東京に住んでいた頃からの友人、ザックこと池崎茂樹さんが、パトリックの元で修行をしていて、遊びに行ったのだ。
その時、いちばんはじめにみた畑が、この“LULU”に使われるぶどう、ガメイ・ド・オーベルニュを育てている畑だった。
あのときまだ青く熟していなかったぶどうが、こうして美味しいワインになったんだなと感慨深かった。もしかしたら、ザックさんが瓶詰めしたものかもしれない。
ところで、パトリックには不思議と縁がある気がしている。
数年前、旅行でパリに来たとき、VIVANTで飲んだワインが彼の作る“Violette”だった。
ちょっと話は逸れるけれど、その時のVIVANTのシェフは、現CLOWN BARのシェフ、渥美創太さんで、サービスをしてもらったのは、やはり現在CLOWN BARで働いているデイビッドだった。
料理もワインも美味しくて、本当に感激した。
それがきっかけでパリに住みたい、いや絶対パリに住もう、と決意したと言ってもいいほどだった。
それから約3年が経ったいま、私は、彼らが働いているクラウンバー週に数回は通って、一緒にお酒を飲んだりしているのだから、これも不思議な縁だ。
さて、パトリックの話に戻り。
それで、彼の家に行ったときに、まだつたないフランス語で「ヴィヴァンで飲んだ、そのヴィオレットが美味しくて、私はあなたのワインの中でいちばんヴィオレットが好きだ」と伝えた。
そのあと、ブラインド(エチケットを隠した状態)で出されたワイン。
私は「わかんないなー」と言ったけれど、それが、その年のヴィオレットだと、なんとなくわかった。他のものだったら絶対わからなかったと思うけど、そのくらい鮮明に覚えていた。
帰るときに、何本かそのヴィオレットを持たせてくれた。
なんと! 数年前の自分に教えてあげたい気分だった。
その後、ノエルの時期に、ヴィオレットの名前の由来、娘のヴィオレットちゃんにも会えた。オリーブ的なそばかす美少女だ。もうちょっと大きくなったら、ファッション撮影のモデルをお願いしたいと密かに思っている。
ワインも本人も、かなり好みのタイプだ。
そして、その縁を繋いでくれたザックさんは、日本に戻り、地元・富山でワインバー「アルプ」の店主として活躍している。
こちらも、日本に帰国したときにぜひ行きたいなと思っている。