少し前に存在を知ってから気になっていたAFFECTUSを日本から送って頂きました。
一番最初はたまたま流れてきたインスタグラムの投稿から。
ロメオ・ジリについて語るなんてどんな人なんだろう?というのが最初の印象でした。
今年から仕事をご一緒する方から「関さん、AFFECTUSって知ってます?」と言われ、その時はロメオ・ジリの人(と勝手に呼んでしまう)と同じ方というのを知らず、「いえ、知りません」と答えてしまいました。
「面白いので何冊か送りますね」という事で年末に届いた本をバカンス中にゆっくり読ませて頂きました。
今は写真や動画で物の事を伝える手段が増えて、そのクオリティ自体も上がって魅力的に見える、という時代だと思いますが、じゃあそれに伴って昔よりも物のクオリティも上がっていっているのか?と言えばそうでは無いかと思います。
クオリティの高いものは一定数存在すると思いますが、画面の中ではどれもがスペシャルに写ってしまいます。(時には実物以上に)
というか、皆が「それ」を特別なものに見せたくて仕方ないという感じもします。
僕自身もAnonymousなんかをやっていて、必要以上に煽らないようにしたいなと思っているので、なるべく「ちょうど良い」という紹介に留めるように心がけて(いるつもり)います。
そんな事を考える機会が多くなってきた中、このAFFECTUSが今の自分の気分にピッタリきたのです。
「ファッションを読む」をコンセプトに、モードファッションのデザインから捉えた「感情」を言語化していくテキスト
通常、ファッションを紹介するには文章だけでなく、写真や映像がセットになることがほとんどだと思います。
Usually, fashion is presented not only in writing, but also in photos and videos.
それなのに、このAFFECTUSには写真は一切なし。
There are no pictures in this AFFECTUS.
ひたすら文章が並びます。
It’s just text.
とかく曖昧になりがちなファッションをしっかり言語化してくれています。
It’s a good way of verbalizing fashion, which is often vague.
もちろん、書いている方の主観が多いに入っているので偏っているとも言えますが、それが僕としてはとても良いなと思いました。
よくあるメディアが書いたありきたりなコレクションリポートなんかではなく、じっくりとファッションと向き合っている印象があります。
ジャーナリストの視点ではないんですよね。
もっと一人のファッション好きが浮かびます。
作者は服のデザインも手掛けているようで、作り手側の視点があるのもまた良いのです。
読者の想像力に任せる部分が大きいので、ある程度ファッションに興味や知識がある人向けかとは思いますが、少なくともファッションを仕事にしている人は試しに読んでみると良いのではないでしょうか。
僕自身はファッションショーをやるようなブランドを着ることはあまりというかほとんどないのですが、そんな人でも楽しく読めるはずです。
読んでいると自分の中でまた新しいイメージがそれぞれのデザイナーやブランドに対して湧いてくるので、ファッションが好きになると言うか、「もっと興味を持ってみよう」という気持ちになります。
こんな僕でも、たまには最先端モードの服に袖を通してみようかな?なんて・・・
Seki