スーツをひたすら洗う、洗う。
そんな夏の終わりの一日。
「今回のスーツは自分たちで洗いませんか?」
藤内さんからある日そう提案されました。
通常だと工場で洗ってもらうのですが、干し方とかシワの出方をある程度こちらでコントロールしたいので、じゃあ自分たちで全部洗っちゃいましょうと。
今回のスーツは多分皆にも家で洗ってもらいたいから、買った時点でそれが想像できる方が良いんじゃないかとなり、そういう理由もあってなるべく家の手洗いに近い感じで。
事務所だとスペースがないので、一宮の加工場さんの場所をお借りして作業。
バケツに水を張って洗ったらネットに入れて脱水。
それからハンガーにかけて形を整えて完成。
この日も暑かったので、冷たい水が気持ち良く、楽しく洗濯が進みました。
同行していた生地屋さんもやりたくなってしまい、最後は皆で作業。
無表情だったスーツが水を通すとなんだか良い顔つきに。
ウールの油分でヌメっとした手触りも心地よい。
こうして並べて見てると作業が終わった充実感が。
ここからボタンを付けて、最後に軽く仕上げをして出荷されます。
Seki