2017年春夏から新しくスタートしたデニムブランド。
A new denim brand which has started since SS 2017.
デザイナーの大貫氏とは随分長い付き合いで、始めて会ったのは20年近く前に僕が原宿で働いていた時で、彼も原宿の古着屋で働いていました。
We’ve known each other for almost 20 years, and then, he designed LIVING CONCEPT there in the same company as I used to work.
その後、同じ会社で働くようになり、前職ではLIVING CONCEPTというブランドを手掛けてもらっていました。
長い間、古着のバイヤーをやっていた事もあり、ビンテージへの造詣がとても深く、また素材や縫製工場等、物作りの面にも詳しい事から、今では様々なブランドのデザインを手掛けています。
現在の日本では屈指の、知識とセンスが高い次元で融合しているデザイナーの一人だと思います。
定番で展開する5ポケットデニムは
801S(ストレート)
806T(テーパード)
803W(ワイド)
817F(フレア)
の4型で、型番の8を5や6に変えてみると、あのブランドへのオマージュだという事が分かります。
全ての5ポケットデニムは専用のボックスに収まってお客様の元へ届けられます。
フラッシャー類も抜かり無しのクオリティです。
デニムブランドと言えば、やはりビンテージデニムがベースになる事が多いのですが、このWESTOVERALLSはひと味違います。
まず、一見して分かるのが、削ぎ落されたウェスト周りのディテール。
通常のデニムパンツでは、ベルト部分は同素材での切り返しになっていますが、こちらはスラックスと同じようにマーベルト(裏側の当て布)仕様になっています。
オリジナルのロゴが入ったマーベルトはゴムになっており、デザイン性に加え、シャツをタックインした時の滑り止めの役割も果たします。
この辺りもビンテージからの引用ですが、古くささは感じられず、デニムと合わせる事で全く新しいものに進化しています。
例えば白Teeをタックインしたい時だって、色移りを気にする必要がないなど、やはり現代的な機能性の一つだと思います。
色移りと言えば、ポケットの袋布もデニムのカラーに合わせて変更されているこだわりようです。
デニムと近い色をそれぞれ使用する事で、白(もしくは生成り)の袋布のように、洗濯時の色移りがないように配慮されています。
デニム自体のカラーリングもするっとした(伝わりますでしょうか?)ブルーで、サイドは全モデル巻き縫い(耳が出ない仕様)です。
これにも理由がありまして、耳(セルビッヂ)を使用する場合は、サイドを直線にしか取れない為、より自由で美しいシルエットを作るには耳をなくした方が良いという考え方です。
もちろん耳のあるデニムの良さもあります(個人的にも好きです)が、このデザインアプローチはまさにビンテージをベースにしながらも新しい価値を作り出すデザイナーの仕事なのではと思います。
まだまだ穿き始めたばかりなので、真価のほどは分かりませんが、今の所かなり調子良いので今回ご紹介した801S以外も試してみたいですね。
次はテーパードのBLACKでしょうか・・・
Seki