「丸い」の続きです。
仕立てと共に最重要科目(?)である素材。
SH-01の素材は表面が「丸い」です。
素材の表情を表すのに「丸い」という言葉が適切かどうか微妙ですが。
分かりやすく書くと、フワッと膨らんでいるイメージです。
綿というのは、綿(わた)の状態を撚って糸にするところから始まります。
(もちろんその前に栽培と収穫、もっとその前は畑を耕すところからですが・・・)
糸を撚るときには継ぎ目に毛羽立ち(枝毛みたいなものを想像すると分かりやすいかも)があり、これをそのままの状態で織るには効率が悪いそうです。
その為に、多くの生地は薬品でその毛羽立ちを取ってから織られるものが多いのです。
糸が均一の太さになるので、機械にもかけやすいですし、ツルっとした綺麗な風合いになるので、みなさん採用しますよね。
何より大量生産にも向いていると言えます。
ただ、毛羽立ちを取る分、糸が痩せてしまうので、それを見越して少し太い糸を使います。
一方、SH-01で使われている生地は、糸の段階では薬品を使用していません。
The fabric used for SH-01 had no process with chemicals when it was the thread.
でもそれだと機械にかかりづらいですよね。
その為、上質な細い糸の毛羽立ちを抑えるのにでんぷん糊と合成糊を使用します。
そうして織り上げた生地を洗うと糊が溶けて、本来の毛羽立ちが出ることで上記の「フワっと」膨らむように感じるのです。
素材の良し悪しは一つの側面だけでは語れないと思いますので、どちらが優れているかという訳ではありません。
ただ、以前作った「パリジャンコート」と同様、長く愛用していくと魅力が増してくる服が個人的には好きなのだなと思います。
写真ではなかなか伝わらないのが残念ですが、きっと皆様にも気に入って頂けるシャツに仕上がっている自信があります。
ようやく商品ページが完成しました。
説明文が長すぎるので、飛ばし読みして頂ければ幸いです・・・
Seki