布地の上にひと針ひと針、つづり縫いや刺し縫いすることで、布を丈夫にしたり模様を描く日本の伝統手芸である刺し子。
布にやっているのは見たことがある方もいるかもしれませんが、スニーカーへの刺し子は全くの初見。
5年前に購入して最近は履かなくなっていた993に刺し子を施してもらいました。
グレーのスニーカーがネイビーの布との組み合わせで2トーンカラーになりましたが、これはこれでニューバランスらしい雰囲気。
いったい何時間かかるのか想像もつきませんが、全て職人の手作業によるものです。
スニーカーのデザインに合わせて即興でやっている刺し子はもはやアートと呼べるほどの美しさ。
踵の内側が破けてしまったのも履かなくなった理由なので、そこも一緒に直してもらいました。
直し方にもセンスを感じます。
しかもシューレースにも刺し子。
アメリカ製のニューバランスらしく、トリコロールなのもニクい。
本来刺し子は日本で綿が普及しはじめた今から500年ほど前、江戸時代中期に生まれた技術です。
とくに東北地方などの寒い地域は綿の栽培に適さず綿製品が貴重品として扱われていたので、それらを最後まで大切に使うためのものでした。
そういう意味では履かなくなったスニーカーをこういう形で蘇らせてもらえたことは正に刺し子が生まれた精神に通じるものがあると思います。
岩手県の大槌町で行われているこの刺し子の職人集団、その名も「サシコギャルズ」が現在クラウドファンディングで支援を募っています。
お持ちのスニーカーに刺し子を施してもらえるリターンをはじめ、様々な刺し子にまつわるリターンが用意されていますので、是非ご覧ください。
Parisに持って帰って、フランス人の反応を見てみようと今から目論んでいます。
Seki