LIVIN' IN PARIS

SASHIKO GALS

date: 2024.04.11 category: FASHION author:

布地の上にひと針ひと針、つづり縫いや刺し縫いすることで、布を丈夫にしたり模様を描く日本の伝統手芸である刺し子。

布にやっているのは見たことがある方もいるかもしれませんが、スニーカーへの刺し子は全くの初見。

5年前に購入して最近は履かなくなっていた993に刺し子を施してもらいました。

グレーのスニーカーがネイビーの布との組み合わせで2トーンカラーになりましたが、これはこれでニューバランスらしい雰囲気。

いったい何時間かかるのか想像もつきませんが、全て職人の手作業によるものです。

スニーカーのデザインに合わせて即興でやっている刺し子はもはやアートと呼べるほどの美しさ。

踵の内側が破けてしまったのも履かなくなった理由なので、そこも一緒に直してもらいました。

直し方にもセンスを感じます。

しかもシューレースにも刺し子。

アメリカ製のニューバランスらしく、トリコロールなのもニクい。

 

本来刺し子は日本で綿が普及しはじめた今から500年ほど前、江戸時代中期に生まれた技術です。

とくに東北地方などの寒い地域は綿の栽培に適さず綿製品が貴重品として扱われていたので、それらを最後まで大切に使うためのものでした。

そういう意味では履かなくなったスニーカーをこういう形で蘇らせてもらえたことは正に刺し子が生まれた精神に通じるものがあると思います。

 

岩手県の大槌町で行われているこの刺し子の職人集団、その名も「サシコギャルズ」が現在クラウドファンディングで支援を募っています。

プロジェクトのページはこちらです。

お持ちのスニーカーに刺し子を施してもらえるリターンをはじめ、様々な刺し子にまつわるリターンが用意されていますので、是非ご覧ください。

 

Parisに持って帰って、フランス人の反応を見てみようと今から目論んでいます。

Seki

 

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PROFILE

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関 隼平 / JUMPEI SEKI


FASHION IMPROVER

1979年東京生まれ。2008年に1LDKの立ち上げに参加し、全店舗のバイイング、マネージメントを行う。2015年からはパリ店勤務となり2016年に独立。Fashion Improverとして様々なショップ、ブランドの価値を高める仕事をパリにてスタートさせる。
instagram.com/sekijumpei/
sekijumpei@gmail.com

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岡本 真実 / MAMI OKAMOTO


EDITER / WRITER

東京生まれ。大学卒業後、いくつかのメンズ、レディスファッション誌のエディターを経て、2015年6月よりパリ在住。現在、フリーランスの編集者として活動中。
mamio.kamot@gmail.com

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