先日紹介したGジャンを購入する前日にこの本を手に入れたのは偶然ではない気がします。
渋カジというファッションカルチャーは1988~1989年頃に流行したスタイルですが、その前身になっている1985~87年の「アメカジ」から、1990~91年の「キレカジ」「ハードアメカジ」や1991~1992年の「デルカジ」までの7年間を「渋カジ」と定義して、その周辺の流れを丁寧に追っているのがこの本の特徴です。
流行の発生から、その代表的なアイテム(ここにビンテージのGジャンも入っていた)の紹介に加え、カルチャーとしての側面である「チーム」についても詳細な説明があるところが、ただのファッションカタログや教科書ではない、物語性を持った一冊に仕上がっています。
僕がファッションに興味を持った中学生の頃に渋カジの流行はすでに終わっていたようですが、周囲の影響で初めて購入したLevi’s 501(フロントがジップじゃなくてボタンのズボンがあるなんて!)や、MA-1(天の邪鬼だったのと安いという理由で結局M-65を購入した)の流行はこの渋カジから来ているという事を今まで余り意識してこなかったので、全体の流れを知ることができ、とても興味深く読む事ができました。
雑誌や大人がビジネスの為に作った流行ではなく、渋谷にいる若者たちから生まれた「日本で最初のストリートファッション」という事実も、また興味深いです。
そしてそれに渋谷・原宿のインポートショップが大きく関係しているのを知り、ショップの影響力とその重要性を改めて感じます。
その当時活躍していたショップの方達のインタビューも載っており、今とは違うその当時ならではの豪快なエピソードも楽しく読めます。
その時代を知っている人には懐かしく、知らない人にはとても新鮮に感じられるカルチャーですので、ファッションや服に興味がある人には是非一度読んでもらいたいな、と思いました。
Someone who knows “Shibuya Casual” era must long for it, and the others must feel very fresh. I recommend you to read this book if you are interested in fashion and clothes.
それにしても、景気が良いという事は流行のサイクルが早くなる要因でもあるのだろうな、という感想を同時に持ちました。
Seki