LIVIN' IN PARIS

MA-1

date: 2022.01.27 category: FASHION author:

皆さんが初めてファッションを意識したのはどんなアイテムだったでしょうか?

僕にとっては中学生の時に見たエアジョーダン7(当時はNIKEとは別のメーカーだと思っていました)や、ボタンフライに驚いたLevi’s 501、そして今回ご紹介するMA-1です。

と言っても僕はMA-1を着ていた訳ではなく、ただ羨ましく眺めていただけでしたが・・・

 

当時は学校のクラスでMA-1が流行っていて、皆がそれぞれ思い思いの色を着ていました。

もちろん本ちゃん(復刻ではない本物のミリタリーウェアを軍モノ業界ではこう呼んでいました)を着ている中学生なんておらず、一番上等なのがALPHA社のもので、それがなんとなく本物みたいな情報の少なさでした。

当時を思い出すとセージグリーンよりもブラックやエンジ、シルバーなんてのもいたんですが、もちろん色数には限りがあるので後から買おうとしてもどうしても誰かと被ってしまうのです。

 

そんな訳でMA-1ではなく、ジーンズショップの片隅でセールになっていたM-65フィールドジャケット(こちらはパーカーの方ですね)を購入したことから「皆と違う格好をする楽しさ」に目覚めたのかもしれません。

でもやっぱり当時から憧れていたフライトジャケット。

19歳の頃に働いていたミリタリーショップではフライトジャケットの歴史を全て学びましたが、自分がファッションとして着るのはなんか違和感があったというか、まだまだどう着こなして良いか分かりませんでした。

そんな思い入れの強いフライトジャケットをCIOTAにて購入。

展示会で見た時にはシビれましたね。

しかもN-2Bまで作ってるし。

余談ですが、中学生にとってN-2Bはかなり高額だった記憶があり、一人だけ着ている子がいて皆の注目を集めていました。

フードの毛を皆に触られてどんどん抜けていってたのも思い出します・・・

 

さて、話は戻ってMA-1です。

CIOTAはデニムをはじめとし、元ネタありきの物作りを行うブランドです。

でもいわゆる復刻ブランドではないんですよね。

だから生地やディテールに拘りつつも、余白みたいなものを感じさせる物作りが特徴だと思っています。

どんなに本物に近づけても本物には敵わない訳ですし、格好良くないと意味がないと僕は考えています。

だって服ですからね。

その辺りの拘りとデザインのバランスが良いと言いますか、それこそがデザイナーの仕事なんじゃないかなとも思っています。

 

例えばこのファスナーのテープの色やリブの色。

表地との配色になるのですが、この辺りのセンスが絶妙なんです。

少し間違えると軽くなったり、野暮ったくなったり、もちろんセンスに正解はないのですが、ブランドが出すという場合には正解が存在すると思います。

CIOTAらしいなと僕が感じるのもこのバランスにあるのかと。

長いコートに比べると保温性は負けますが、その分暖かいボトムスを持ってくることで真冬の着こなしを楽しんでいます。

例えばレザーパンツなんかを合わせて。

昔だったら絶対やらなかった組み合わせですが、今はなんだかしっくりきます。

そんな気分の変化が自分にとってのファッションの最大の楽しみだなって、最近はずっと考えています。

 

今日のブログは書いていて楽しいのですが、自分が中学生の頃から進歩していない事も同時に思い知らされます。

あの頃MA-1を着ていた皆は大人になったのに僕だけが・・・と遠い目で当時を見つめています。

Seki

 

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PROFILE

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関 隼平 / JUMPEI SEKI


FASHION IMPROVER

1979年東京生まれ。2008年に1LDKの立ち上げに参加し、全店舗のバイイング、マネージメントを行う。2015年からはパリ店勤務となり2016年に独立。Fashion Improverとして様々なショップ、ブランドの価値を高める仕事をパリにてスタートさせる。
instagram.com/sekijumpei/
sekijumpei@gmail.com

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岡本 真実 / MAMI OKAMOTO


EDITER / WRITER

東京生まれ。大学卒業後、いくつかのメンズ、レディスファッション誌のエディターを経て、2015年6月よりパリ在住。現在、フリーランスの編集者として活動中。
mamio.kamot@gmail.com

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