先日ブーツの話を書いたら、またブーツが増えました。
これは今年の1月に展示会でオーダーしていたもので、すっかり忘れた頃に届くというパターン。
それを避けるためになるべく展示会ではオーダーせずに、ショップにデリバリーされてから買う、をルールにしていますが大物は別です。
そんなわけで久しぶりのParabootです。
と、ここまで書いたら「嘘つけ!」と心の声が。
ああそうでした。この夏にも買っていましたね。
ただあちらはフランス製じゃなかったのでノーカウントということで・・・
ARPENTEURは僕が初めてParisに出張で来たときに出会ったので、もう何年経つでしょうか。
その頃、彼らはブランドを立ち上げて間もない時期でしたが、今に至るまで全くブレない世界観でコレクションを作り続けています。
型数が大きく増える訳でもなく、でも着実にファンを増やし続けているブランド。
彼らの作る服の魅力は、100% Made in FRANCEのものづくりだったり、古き良きフレンチワークスタイルをモダンにし過ぎず、でもただの復刻でもない絶妙に野暮ったい(褒め言葉)コレクションだったり、Lyonを拠点にしたマイペースを感じさせるセンスだったりするのですが、
一番の魅力は、彼らの人柄がそのままブランドに反映されているところだと思っています。
彼らに会うと、温かい気持ちになったり、安心したりするのですが、彼らの作る服からは全く同じような気持ちを感じるのです。
着る人の邪魔をしないから気付くと手に取ってしまう、そんな服。
ブレない彼らは初めて会ったときから今でもずっとParabootを愛用しています。
定番モデルのMichaelやChambordも履きますが、あまり見かけないモデルを履いていることもあり、いつも気になって聞いていました。
「おじさんしか履かないParaboot(のモデル)」なんてよく言っていたのを思い出します。
今回彼らが別注したBergeracというモデルは、Parabootでは1970年代に作られたStuartというモデルの後継機のようです。
インラインはオイルドヌバック(茶色)で作られており、なかなかに質実剛健ですが、街履きにはちょっとハードかな?という印象です。
余談ですが、Parabootのヌバックをまるでコードバンのようにピカピカに磨くのが、一部の好事家の間では一般的(?)なようです。
確かに写真で見ると格好良いのですが、Bergeracでやっている人は見かけませんね。
それをスウェードで仕上げたのが今回の別注モデル。
黒と茶色も良かったのですが、このベージュのスウェードがこちらとも違った魅力で一目惚れ。
全体のフォルムからはフランスというより、アメリカのワークブーツを感じさせます。
わざわざ左右別に施されたタンの脱力系グラフィックもニクい。
そして個人的にはこのナチュラルカラーのソールが、某アメリカブランドの6インチブーツを彷彿とさせます。
とは言え、トゥの丸みやボリュームはParabootのそれで、ノルヴェイジャン製法が山靴らしさを感じさせつつも、ウェルトまでナチュラルに統一することで、全体がモダンにまとまっています。
シューレースがもう一本付属しており、一見するとアウトドア感強すぎか?とも思いましたが、試しに通してみると意外と良いかも。
ネームタグにも使われているParabootのブランドカラーであるグリーンを違和感なく取り入れています。
フランスブランド同士のとても自然で相性の良いコラボレーション。
Suitable and compatible collaboration between french brands.
奇をてらうことなく、インラインよりも魅力的に。
汚れを気にせず、ガシガシ履き込んでいこうと思います。
Seki